私は喜田修(きだおさむ)と申します。「東京台湾の会」は当初、東京の練馬方面在住の台湾に所縁があり、台湾を愛する有志の方々の懇親の場として発足いたしました。爾来、今日まで30年以上、日台親善交流、台湾に対する理解の増進に資する諸事業を推進してまいりました。
ご承知のように、現在日本と台湾の間には、国交はありません。しかしながら、経済文化等を中心に、双方の関係は極めて良好かつ密接です。観光等の人的往来も増加の一途を辿っております。更に、東日本大震災に際しましても、台湾は多額の義捐金(世界最高額)を拠出する等、温かい支援の手を差し伸べて頂いたことは、私は一日本人として、子々孫々末永く語り継いで行くべきだと思っております。
我々「東京台湾の会」は諸先輩の築かれた基礎の上、日台間の相互理解、友好親善関係を更に発展させるため、一層努力を傾注し、日台の「架け橋」としてしての役割を果たして行きたいと念願いたしております。
東京台湾の会 顧問(元会長、元名誉会長) 喜田 修
現在、日本と中華民国(台湾)との関係はきわめて良好です。両国民が長きにわたって深い交流を積み重ねてきた賜物です。しかし同時に両国の関係は複雑です。一例を挙げれば、かつて台湾は日本の領土であったのですが、現在は日本と中華民国とは国交がないのです。
さて日本の統治時代は50年にも及びましたが、その間に台湾において生まれ育った日本人「湾生」の方々にとって故郷は台湾です。
しかし日本の敗戦により愛する故郷を離れざるを得ませんでした。それまで台湾での豊かな暮らしが一転して日本全土が焦土と化した荒廃した日本に引き揚げるとことになったのです。
そして日本において必死に生き抜いてきた湾生の方々は、戦後の日台間友好の橋渡しとなりました。こうした湾生の方たちのご尽力もあり、現在の日台間の強い友好関係があるのだと痛感します。
東京台湾の会は、湾生の方々の親睦団体として発足しましたが、現在は役割が進化してきたと言えます。つまり貴重な湾生の方たちのご経験とご見識を学び、そして次世代につなげていくことが東京台湾の会にとっての使命であると考えています。
より多くの方々に、湾生が生きた日本統治時代を知っていただき、湾生の思いを伝えていきたいと願っています。どうか、皆様方のご支援をいただきたく心よりお願い申し上げます。
東京台湾の会 会長 小川 英郎